最近見てきた本まわりの展示とイベントについてです。長くなってしまったので、前置きなしに書いていきます。

本回り


一つ目、

うらわ美術館
「美術への挑戦 1960's-80's:秘蔵されていたアート・ブック」
https://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/exhibition/whatson/exhibition/p061088.html

「本をめぐるアート」をテーマに収集しているうらわ美術館の所蔵作品から、60年代から80年代にかけて出版されたアート・ブックを紹介しています。

ずっと楽しみにしていて、学芸員さんの解説があるときに行きたかったのですが、日程的に叶わず。しかし、マニアックでした…。一部映像で見せてくれている本を覗いて、ガラスケースの中の展示なので、中が見られないのが残念でしたが(そりゃ当たり前なのですが)、アートブックの流れがわかり、趣向を凝らした本の数々と、そのキャプションを読むと、考えさせられるものもありクスッとくるものもあり。ディーター・ロートのカバーを取っても取っても何重にも重なったカバーが出てくる本とか、もはや本を使った大喜利。

名前も存じ上げなかった、物理学者のバーン・ポーターがカルロ・ピットーレと共作した記念切手シリーズ「Post Me!」も手のひらサイズの可愛らしい作品でした。アポロ計画や広島長崎の原爆製造にも関わり、そのことに罪悪感を感じていたというポーターが、一方でメール・アートやファウンド・ポエムなどの美術家として活動しているというのが、なんとも…。

図録の表紙に使っている作品はサイモン・カッツによる「アーティストに鑑賞者の時間を無駄にする権利はない」(1976年)。作品のスタンプを順に押していくとタイトルの一文が出来上がります。文はエリック・サティの言葉。それを表紙に選ぶあたり、クスッときます。

そんな感じで私は大満足でしたが、明日までです。ご興味のある方は是非!

二つ目、

DIC川村記念美術館 
「言語と美術─平出隆と美術家たち」
http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/index.html

詩人・作家の平出隆氏の読み解きで美術家たちの言葉と作品を再構築した展示。ジョゼフ・コーネルや瀧口修造作品等が展示されています。

平出氏の「空中の本」という構想の元、建築家の青木淳氏が、会場構成を担当されています。一部屋に二名の美術家の作品が二分される形で展示してあり、その四つの部屋が循環するように別の部屋に繋がっているのですが、黙々と見ていると言葉の迷路に入り込んだような不思議な感じでした。また、部屋の真ん中を突き抜ける「透明梁」の中に読み物が浮いているのですが、それも美しかった。

川村美術館


やー、美術館は遠かったですが(京成佐倉駅から一時間に一本の送迎バスにのって30分…)、会場設計も含んだ大掛かりな展示は郊外に行かないとなかなか見られないですね。川村美術館は高校生の頃にアレクサンダー・カルダー展を観に行って以来18年ぶりの再訪でしたが、その時も「モビールは大きいから仕方ない」って同じようなこと思ったものです。ヘンリー・ムーアの彫刻が置かれた広大な公園もあるし、丸1日のんびりすると良いなと思いました。

こちらも明日までですが、ぜひ!


そして三つ目、

初めてのコミケ、行ってきました!
コミケは訪問者もルールがいろいろあるみたいだし、敷居が高すぎて近寄りがたかったのですが、お世話になっている編集者さんが個人的にブースを出されているということで、思い切って行ってきました。それも大晦日!大晦日にコミケがやっているとは知らなかった。

ということで、小象さんの「アリアケパンチ」第1号、「フランス人が見た日本のアニメ」特集をゲットしました。フランスのアニメ放送の歴史とフランス人へのインタビューがまとめてあります。日本のアニメが普及した背景になるほど〜と興味深く読んでおります。こちらはいくつかの書店でも取り扱っているそうなので、気になる方はぜひ小象さんのツイッターアカウント (https://twitter.com/petiteleph)でチェックされてみてください。

コミケ


初めてのコミケはとにかく人が多くてぐったりしました。あと今日日、女性も多く来ているものだと思っていたら、男性ばかりなことに驚きました!それと、素人は入場制限がなくなる午後から行った方が良いということで、午後に行ったら、もう店じまいのブースもちらほら。売れるところは午前で売り切れてしまうそうですね。すごい!という割と当たり前の感想しか出てこないのですが、人が多いのと広いのとよくわからないので、男性の一群の後ろ姿しか記憶がないのです。

あとあれですね、左側通行を徹底されていて、うまく人の波に乗れず右側を逆走する形になってしまったので、反対側に向けて小走りに横切ったら、「走らないでください!」って注意されて、ヒェ〜すごいピリピリ。あれだけ人が多いと、ちょっとしたことが大事故につながりかねないですもんね、すみませんでした。やっぱり、難易度高かったですが、とりあえず、平成最後のビッグイベントを垣間見れて、良かったです!

ということで、本日のブログ燃え尽きました。
またお会いしましょう!

書店売りもしている「言語と美術」の図録、会期中に美術館のショップで買うと2,600円!