今年の春、夜9時頃のことですが、ヨーカドーの入り口の前で、とある少年に出会いました。彼はカジュアルな特攻服のようなもの(刺繍などが入っていない真っ白な上下)を着ていて、「ミコシバに笑われっぞ」というようなことを彼の仲間に言っていました。おそらくは(不良が甲子園を目指すでお馴染みの)ドラマ「ルーキーズ」のアニヤ君のものまねをしているところだったのだと思います。それは辺り一面にひびくほどの大きな声でした。そう、お察しの通り、実際のところ出会ったというより、私は目をあわさぬように通り過ぎたのです。

そのときはヤンキーがたまる、威嚇する、昔ながらのいつもの光景だと思っていました。しかし、もしかして、それは大人に向けた危険信号だったのでしょうか。俺、今はやりがいなくてヤンキーやってるけど、本当は野球やりたいです、彼のそういう魂の叫びであったのでしょうか。

6月に入り、暴走族の暴走行為がシーズンを迎えています。その暴走音を聞くたびに思うのです。あの日、私があの少年に野球を教えていたならば、このパラリヤと鳴り響く音は一台分小さかったのだろうか、と。IMG_5663

彼らの目にこの美しい三日月はどのように映っているのでしょうか。